宮戸地区のあれこれ

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えんずのわり

 月浜地区では毎年1月11日から16日までの7日間,宮城県の民俗無形文化財に指定されている伝統的な鳥追いの行事,「えんずのわり」が行われます。
 月浜地区の小学2年生から中学2年生までの子どもたちが,月浜の五十鈴(いすず)神社にこもり,寝食をともにします。学校にも,毎朝ここからみんなで登校します。
 秋頃から,休みの日にみんなで集まり,たきぎを集めたり岩屋の掃除をしながら準備をします。そして年明けの11日から子供だけで食事を作りながら岩屋に寝泊まりします。肉や魚は口にせず,ご飯とみそ汁だけの質素な食事です。
 1月14日の夜には全員で月浜地区の全戸をまわり,松の棒で地面を突きながら、
「 えーい えーい えい
えんずのわり とうりょうば 
かずらわって すおつけで
たーどお がーみさ たーだみ いーれで
えーどが すんまさ なんがせ
えーい えーい えい
おこさん すくすく そだつように
しょうばい はんじょう するように
いどは いいみず わくように
おがあ まんさく
うみは だいりょう
じにのかみ はらめ」
と,となえながら歩きます。その次の日には,各戸が早く起きて庭で薪や柴を燃やし「ホーイ、ホイ」と鳥を追いながらその煙で腹をあぶり,みんなで一年の健康を祈ります。
 この行事は数百年も前から行われているといわれ,正月の寒気の中で,合宿さながらの生活をしながら,大きな子から小さな子へと毎年伝えられていきます。

儀兵衛の記念碑・多十郎の墓


 宮戸小学校の近くにある観音寺。ここには日本で始めて世界一周をした人物として知られている儀兵衛の碑と多十郎の墓があります。
 江戸時代の船乗りだった儀兵衛と多十郎は、寛政5年石巻を出航しましたが、塩屋崎沖で難破してしまいました。
 アリューシャンに漂着し、シベリアを横断して南米を回り、文化元年、実に11年もの歳月を経て長崎に帰ってきました。

奥松島縄文村歴史資料館

 この縄文村歴史資料館には,同じ里浜地区にある縄文時代の遺跡「里浜貝塚」から出土した縄文土器や骨角器、石器、装身具、縄文人の食料である魚や獣の骨などを展示し、縄文人の知恵と生活をわかりやすく紹介しています。
 史跡「里浜貝塚」は、4000年におよぶ縄文人の営みが刻まれた日本一の規模を誇る縄文遺跡です。
 宮戸小の子どもたちは,歴史資料館と連携した学習活動を数多く行っています。